カナダの大学で授業を受けていて感じたことは、意見が言いやすい環境であるということです。日本では熱心な学生はよく「質問」をしますが、現地では「質問」より「コメント」が多く聞かれます。「私はこう思います」「○○の文献にこういう記述がありました」など、学生が意見を述べるのです。そのコメントに対して更に質問や意見が出てきて、知識や理解力を深めていきます。時々脱線することはあるけれど、みんなが意見を言いやすい環境があるということが学習する上ではとても大切な事なのです。それ故に参加する学生自身もはっきりと自分の主張をすることが求められます。
カナダは移民を積極的に受け入れている国です。カナダ人自身、小さい頃から様々な人種の中で育っているので違う人種に対しての抵抗や偏見がなく、一人の人間として向き合ってくれます。私たち日本人はどうしても英語をきれいに話したいという意識が強すぎて、討論の時など一歩遅れてしまうことがあります。しかし文法や発音が完璧ではなくとも自分の意見を述べることの方が大切なのです。冠詞を付け忘れた、複数形を間違えた、単語が違うなど細かいことを気にするよりもまず「自分はこう思う」と言い切ること、そしてその理由を明確に説明することを心掛けるようにすると「参加型」の授業の中へ入りやすくなります。